新年の抱負というわけでもないけれど。

僕は親戚づきあいとかはあまりしないのだけれど、盆と正月くらいは帰省することにしている。帰省すると甥っ子や姪っ子といった小さな子どもと同じ家で過ごすのだけれど、子どもというのは本当に活動的で、起きているあいだずっと動き回っている。例外はタブレットやテレビで何かを見ているときくらいだ。

僕は子どもはあまり得意ではない*1ので、実家にいる間は居間の一角に居所を定めてタブレットで本やマンガを読むか、スマホでついったーを眺めるなどしてぼんやり過ごしていることが多い。

それでついったーに流れてくる可愛い子猫の動画とかを見て思ったのだけれど、猫や犬といった動物も、子どもはひっきりなしに動き回っており、年寄りは居心地の良いところでじっとしている。きっと子どもは目に映るものがなんでももの珍しく、あらゆる体験が新鮮でおもしろいのだろうと思う。年をとると知らないことが減り、体を動かす楽しみよりも億劫さが増し、だんだんと「居心地の良いいつもの場所」で習慣的に過ごすことが多くなるのかなと思った。

もちろん、これは猫や犬の話に見せかけて、僕自身の話である。大学進学を機に一人暮らしを始め、就職してからも一人暮らし続けている僕はライフステージが滞留しており、ややもするも学生時代から行動半径や休日の過ごし方が変わっていない。よく知っているいつもの場所で、いつもの過ごし方をしている。

これではいけない、と思った。

老いた猫のような暮らし、陽だまりにまどろむような暮らしは別に悪いものではないと思うが、僕にはまだ早いように思う。知らないことが減ったといっても、それは自分の生活圏内の話であって、生活圏内を少し離れれば国内にさえ行ったことない場所が無数にあり、やったことのない体験が無数にある。僕は子猫のような好奇心を取り戻すべきだ。

今年は行ったことのない場所に行き、やったことのないことをやろうと思った。そんな年末年始であった。

*1:眺めている分には可愛いと思うのだが、小さな子どもに合わせて振る舞うというのがどうにもできず、例えば大人と話すときのように話してしまう